生態学的アプローチ

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石水(1974),田辺(1979),林(1991)らによると,都市の内部地域構造研究の噴矢とされる1920年代シカゴ学派の社会学的都市研究において,最も刺激的な都市構造モデルであるバージェス・モデルは,周知のように,市街地の拡大を説明しようとしたものであり,決して都市内における住宅の空間的パターンのみを対象としたものではない。
しかしながら,同心円構造モデルをみると,I地帯の核(loope)を除いて,Ⅱの漸移地帯では住宅退廃地域,Ⅲの労務者住居地帯,Ⅳの住宅地帯,Vの通勤者地帯(郊外居住地)と地帯区分とそれらの地帯の名称からも明らかなように,さまざまな種類の住宅を指標として都市の内部地域構造を論じている(Burgess;1925,reprintedl982)。
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また,バージェスの同心円理論に対する批判を行ったホイト(Hoyt;1939)は,.『アメリカ都市における居住地近隣地区の構造と成長(ThestructureandgrowthofresidentialneighborhoodsinAmericancities)』において,住宅的土地利用だけを取り上げ,地代を指標として都市域を内帯・中間帯・外帯の3つの同心円地帯と方向別セクターに分けて街区別平均地代の分布をみた。その結果,高地代地域(高級住宅地域)がセクター状に分布することを明らかにした。
ホイトは,高級住宅地域の発展方向とパターンの決定要因として,業務地区との距離や交通機関の発達状況,不動産業者の活動など9項目をあげ,その後も都市を取りまく状況の変化に対応してモデルを修正した(ホイト;1964,1982)。しかし,「Burgessの場合には,住宅地域を,住宅頽廃地域・労務者住居地帯・良好住宅地帯としてとらえ,単家族住宅・2世帯住宅・労務者住居地帯・良好住宅地帯としてとらえ,単家族住宅・2世帯住宅・多家族住宅といった形態面をも考慮した」(石水;1974)ものであるのに対して,ホイトは地代を指標とした3階級からなる地域区分にとどまり,都市の空間構造のうちバージェス以上に範囲を狭めて,住宅的土地利用(居住面)に限定している点が不十分であると石水(1974)は指摘した。