居住者の人口特性の変化

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都市システム研究と同様に,ボーン(Bourne;1981)はハウジングに関するこれまでの地理学の研究について,文献の文脈(literaturecontext)は,「現代の都市環境におけるハウジングの理解に直接的に寄与する,研究の数多くの確立した分野のイメージを意味しようとした」(Bourne;1981)ものであり,8つの異なる研究領域が示され,研究領域が追加されることも可能であるとされている。
「これらの領域は,哲学や方法論が多様であると同じように,スケール(マクロとミクロ),主題(需要と供給,政策)においても多様である。需要の側面では,最も関連した分野は居住立地モデルやローカル・レベルでの意志決定から,社会的価値,態度,政治的構造の社会的レベルのコンテキストに至るまでまちまちである。
供給の側面では,関連分野は国家的住宅および資本的市場(住宅部門),政府,制度,組合参加者とローカル・レベルで土地開発と住宅供給のパターンを形づくる財産規制についての研究を含んでいる」(Bourne;1981)。
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広範囲なハウジング研究のすべての分野を扱うのは,あまりにも膨大な作業であるため,本研究では,ハウジング研究の成果をポーンによる分類における「居住者の人口特性の変化」に研究の焦点をしぼり,かかる観点から関連する文献を再整理することによって,居住者の人口特性からみたハウジング研究の一分野の確立を試みるものである。
なぜなら,居住者の人口特性に着目したハウジング研究は,都市内部の地域構造のうち人々の生活様式や生活空間,生活態度に密着した分野であり,また人口統計資料が比較的揃っているのに対して,住宅ストックに関する小地域スケールでの統計資料があまりにも貧弱であり,マクロスケールの分析しかできないなどの資料的問題が存在するためである。
そこで本書では,図1-2に示すように,居住者の人口特性に着目したハウジング研究のアプローチや視点について整理し,居住者の人口特性の要素は住民属性,世帯属性,住民行動,地域特性などの研究対象に分類した。居住者の人口特性は,都市構造の一特性として把握され,また,世帯の居住地移動の結果として,あるいは居住地移動に影響を与える原因として,さらに,居住者の人口特性の形成と住宅政策との関係や住宅の需給の影響がどのようであったのか,など多種多様なアプローチから構成される。