ハウジング研究のフレームワーク

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ハウジング研究は,都市地理学研究においてかなり古くから言及されたにもかかわらず,ハウジング研究として,欧米の都市地理学の研究の中でその存在意義を強く示し始めたのは,1970年代以降の極めて最近のことである。
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ショート(Short;1984)は,都市における住宅市場が,自力で建築した家屋(self~producedhousing),個人仲介の家屋(individualcontactproduction),制度的仲介の家屋(institutionalcontactproduction),投機的生産(speculativeproduction)と2つの住宅供給部門(民間部門(privatesector),公共部門(publicsector))の4つの住宅生産構成となっていることを示した。この都市住宅市場の構成について,ポーン・パンティング(BourneandBunting;1993)は模式化を試みた。
ここで指摘されるのは,これまでの地理学におけるハウジング研究では,住宅市場を構成する需給関係や需給関係の背後にある諸要素間の関係や,住宅市場内の各部門相互間の関連性をあまり考慮することがなかったことである。
ところが,都市内部システムの考え方を援用することにより,住宅市場相互の関連だけではなく,住宅市場をとりまく社会的・経済的環境をも考慮したアプローチが可能となる。矢野(1995)は,ウィルソン(Wilson)に始まる都市地理学の研究のフレームワークを引用して,都市地理学において必要なのは都市システムを構成する個々の諸要素だけではなく,それぞれの諸要素を都市システム全体の中での相互作用から構成されるシステムとして位置づけて理解する必要性を主張した。
すなわち,従来の都市地理学は,都市システム全体の中で諸事象の相互関連性を把握することが少なかったことが課題とされる。ハウジング研究との関連からみると,「人口部門を中心に考えてみると,人口は労働を供給する就業者であると同時にサービスを需要する消費者でもある。(中略)そして,人口は住宅に居住することから住宅ストックと住宅配分という形で相互作用することになる。(中略)こうした活動は,有限の土地の範囲内で行われることから,住宅ストック,基幹産業やサービス産業の立地,交通供給などの土地利用が競合し,それらは,土地利用配分を介して相互作用することになる。この視点は,都市(圏)を,これら要素が空間・時間次元のなかで相互作用しあうダイナミックなシステムとみなすものである」(矢野,1995,)。この指摘が,ハウジング研究に極めて重要な示唆を与える。