高齢化の進行が予想される

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しかし,増加のようすは山の手地域ほどではなく,特に大田区南部にある都営住宅では
建て替えが進んだこともあり,老年人口率の上昇は少ない。西部地域では,山
の手地域と同様に,1970年にはいずれの種類の住宅においても老年人口率が
低かったが,1990年には著しく増加した。老年人口率が20%以上を占める住
宅は,都営住宅と公団・公社住宅において半数以上を占めるまでになり,高齢
化の進行は顕著である。また,都営住宅と公団・公社住宅において老年人口率
が20%に達していない住宅でもその直前の段階である50歳代人口率が高く
なっており,今後ますます著しい高齢化の進行が予想される。

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北部地域や東部地域においても老年人口率は,1970年にはすべての住宅で
5%未満であったが,1990年には20%以上に増加している住宅とそうでない
住宅に分かれている。公団住宅は,居住者の入れ替わりが激しい賃貸住宅が中
心であるため,老年人口の著しい増加がほとんどみられなかった。しかし,江
戸川区や足立区北部の都営住宅では1970年と同様に5%未満の老年人口率が継
続されたものと葛飾区や足立区南部の都営住宅のように1990年になって著し
く増加した住宅とに分かれる。東部地域の江戸川区では,これまでにみた他の
地域に比べて高齢化は著しく低く,1970年時点にも老年人口率は低かったが,
1990年においても増加はしているものの低い状態である。

都営住宅と公団・公社住宅の高齢化への変化パターンが異なる点は,都営住
宅では平行移動的な加齢以上に高齢化が進行していることである。

老年人口率の増加を示している

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しかし,このような状況は,若年世帯の居住
地選好が都営住宅を避けるようになったことではなく,1990年における世帯
の高齢化と関連させて考えると,居住者の定着性が強いためであると考えられ
る。すなわち,住宅困窮者のための一時的住まいで供給される都営住宅におい
て,居住者の定着が,新たに住宅に困窮する若年世帯の入居希望を阻害してい
ると考えられる。そのため,都営住宅を希望する若年世帯は,新規募集の多い
郊外地域の都営住宅や都区部内部で更新される都営住宅に応募せざるをえない
状況が生じていると考えられる。

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②老年(65歳以上)人口率の変化
1990年において都営住宅居住者の高齢化が顕著であることが明らかとなっ
たが,1970年にはいずれの種類の集合住宅において老年人口率は低かった。
老年人口率の変化についてみると,図V-12に示すように,山の手地域の老年
人口率の変化では,住宅の種類による差異が顕著で,都営住宅における老年人
口率の顕著な増加が新宿・渋谷両区で共通してみられる。公団住宅についてみ
ると都営住宅のような著しい高齢化がみられるものは一部のみである。民間集
合住宅についてみると,新宿区と渋谷区でやや違った傾向がみられ,あまり高
齢化の顕著でない新宿区に比べて渋谷区内の民間集合住宅のなかには高齢化の
顕著なものが数多くみられる。これは,新宿区内の調査対象住宅が賃貸民間集
合住宅が多かったため,分譲住宅に比べて定住者が少ないためと思われる。

南部地域においても,1970年時点ではいずれの種類の住宅の老年人口率は
低かったが,1990年には半数近くが老年人口率の増加を示している。

0~9歳人口率は

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①O~9歳人口率の変化
いずれの地域においても0~9歳人口率は,1970年の極めて高い比率から
1990年には著しい低下がみられる。この傾向は,いずれの種類の住宅におい
てもみられるが,とくに1970年にこの年齢階級の比率が高かった公団住宅に
おいて減少が著しい。山の手地域では,1970年には公団住宅や民間集合住宅
で高い比率であったが,1990年には低くなっている。都営住宅では,他の地
域に比べて古い住宅が多いこともあって1970年においてもこの年齢階級の人
口率は低く,1990年にはさらに減少している。南部地域や西部地域において
も都営住宅と公団住宅で,0~9歳人口率は急激に減少したものが多く,とく
に,1970年には公団住宅において25%以上をしめるほど年少人口が多かった
が,1990年にはほとんどの公団住宅で10%未満である。この状況は,下町地
域や北部地域,東部地域においても同様であるが,北部地域や東部地域では公
団住宅に加えて都営住宅にもこのような年少人口の1970年における偏りとそ
の後の急激な減少が特徴的であり,1990年には大部分の住宅で子どもの数が
極端に少ない人口構成となっている。

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0~9歳人口率の変化から,東京都区部の集合住宅においては若年世帯は古
い都営住宅や公団住宅,あるいは古い民間集合住宅に入居することは少ないと
いえる。すなわち,居住者の入れ替わりによって居住者の年齢階級に平準化が
起こっても,年少人口の著しく低いようすから判断できるように,1970年時
点で入居のあった古い集合住宅では,建築当初は若年世帯に偏っていても入居
した世帯の加齢がみられ,若年世帯が減少していることが明らかとなった。こ
のことは,かつて経済的に弱くて住宅に困窮した若年世帯に対して主に供給さ
れていた都区部内の都営住宅が,今日ではそれほど若年世帯の受け皿として役
目を果たしていないことになる。

居住者特性の差異を明らかに

EC023_L次に,東京都区部における年齢別人口構成に関してみると,若年世帯の世帯
主の年齢に該当する30~34歳人口率は千代田区などの都心地域で低く,都区
部西部の世田谷区や杉並区で高い。40~44歳人口率は,都心地域や都区部西
部地域で低く,下町の江東区や都区部東部地域,南部地域,北部地域,南部地
域など都心地域を取り囲むように圏構造の外側の地域で高い比率となっている。
50~54歳人口率は,山の手地域や西部地域で低く,東部の足立区や下町の江
東区などで高い。老年(65歳以上)人口率は,都心地域の千代田区で極めて
高く,圏構造をなして外側地域で低い。このような年齢別人口構成は,とくに
住宅とのかかわりを強くもつと思われる。

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以上の地域概観と東京都による都営住宅管理一覧など行政資料等で一般的に
使用されている地域区分を参考として,都区部を都心地域,山の手地域,下町
地域,南部地域,西部地域,北部地域,東部地域の7地域に区分し,以下では
それぞれの地域からいくつかの区を取りあげて,巨大都市の中心部において顕
著な集合住宅居住者の特性を分析した。これにより,大都市中心部における集
合住宅の種類による居住者特性の差異を明らかにする。

3.年齢階級別人口構成の変化
0~9歳人口率,老年(65歳以上)人口率の1970~90年の変化を住宅の
種類ごとにみた。とくに,65歳以上を対象としたのは,居住者の加齢と高齢
化に関して把握するためである。分析対象地域は,山の手地域の新宿区・渋谷
区・豊島区,下町地域の江東区,南部地域の品川区・大田区,西部地域の中野
区・杉並区・世田谷区,北部地域の足立区,東部地域の葛飾区・江戸川区であ
る。

巨大都市の東京都区部を事例として

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住宅の種類による居住者特性の違いがみられるのは戸建て住宅
と集合住宅との間の建物の違いだけではなく,集合住宅内でも居住者特性が異
なっている。本節では,巨大都市の東京都区部を事例として大都市内部におい
ても住宅の種類ごとに居住者の属性に違いが現れるのかどうか,居住分化の有
無を明らかにすることを目的とする。

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2.地域概観
研究対象とした東京都区部における住宅状況は,1990年国勢調査によると
持ち家率が40.9%,公営・公団・公社などの公的借家率8.4%,民営借家率

43.6%であった。この状況を区別にみると,都区部内で持ち家率が高いのは,
都心地域の千代田区・中央区と下町地域の台東区・荒川区・墨田区,山の手地
域の文京区などであり,全体的パターンとしては都心地域と東部・南部で高く
なっており,都区部西部では民営借家率の比率が高くなっている。公的借家率
は下町地域の墨田区・江東区,都区部東部の葛飾区・江戸川区,北部地域の板
橋区・北区・足立区で高い。これは,1975年の国勢調査結果をもとにした
『東京の社会地図』(1986)に示されたパターンと同様であり,それによると,
公営借家率は1960年代後半から開発の進んだ地区で高く,東京湾沿いと都区
部東北部周辺の大規模開発地に分散し,それらの分布と年少人口比率の分布と
の関係が深いとされている。とくに公的借家に関して1970年と1980年の国勢
統計区単位で分布をみると,1970年時点における公的借家の集中地域におい
て1980年にはさらに集中がみられる。とくに,都区部北部(北区・足立区),
東部(葛飾区・江戸川区)および下町地区の江東区に大規模な集積がみられ,
新宿区や世田谷区などにも大規模な公的借家の住宅地が散在している。

生態学的アプローチ

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石水(1974),田辺(1979),林(1991)らによると,都市の内部地域構造研究の噴矢とされる1920年代シカゴ学派の社会学的都市研究において,最も刺激的な都市構造モデルであるバージェス・モデルは,周知のように,市街地の拡大を説明しようとしたものであり,決して都市内における住宅の空間的パターンのみを対象としたものではない。
しかしながら,同心円構造モデルをみると,I地帯の核(loope)を除いて,Ⅱの漸移地帯では住宅退廃地域,Ⅲの労務者住居地帯,Ⅳの住宅地帯,Vの通勤者地帯(郊外居住地)と地帯区分とそれらの地帯の名称からも明らかなように,さまざまな種類の住宅を指標として都市の内部地域構造を論じている(Burgess;1925,reprintedl982)。
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また,バージェスの同心円理論に対する批判を行ったホイト(Hoyt;1939)は,.『アメリカ都市における居住地近隣地区の構造と成長(ThestructureandgrowthofresidentialneighborhoodsinAmericancities)』において,住宅的土地利用だけを取り上げ,地代を指標として都市域を内帯・中間帯・外帯の3つの同心円地帯と方向別セクターに分けて街区別平均地代の分布をみた。その結果,高地代地域(高級住宅地域)がセクター状に分布することを明らかにした。
ホイトは,高級住宅地域の発展方向とパターンの決定要因として,業務地区との距離や交通機関の発達状況,不動産業者の活動など9項目をあげ,その後も都市を取りまく状況の変化に対応してモデルを修正した(ホイト;1964,1982)。しかし,「Burgessの場合には,住宅地域を,住宅頽廃地域・労務者住居地帯・良好住宅地帯としてとらえ,単家族住宅・2世帯住宅・労務者住居地帯・良好住宅地帯としてとらえ,単家族住宅・2世帯住宅・多家族住宅といった形態面をも考慮した」(石水;1974)ものであるのに対して,ホイトは地代を指標とした3階級からなる地域区分にとどまり,都市の空間構造のうちバージェス以上に範囲を狭めて,住宅的土地利用(居住面)に限定している点が不十分であると石水(1974)は指摘した。

居住者の人口特性の変化

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都市システム研究と同様に,ボーン(Bourne;1981)はハウジングに関するこれまでの地理学の研究について,文献の文脈(literaturecontext)は,「現代の都市環境におけるハウジングの理解に直接的に寄与する,研究の数多くの確立した分野のイメージを意味しようとした」(Bourne;1981)ものであり,8つの異なる研究領域が示され,研究領域が追加されることも可能であるとされている。
「これらの領域は,哲学や方法論が多様であると同じように,スケール(マクロとミクロ),主題(需要と供給,政策)においても多様である。需要の側面では,最も関連した分野は居住立地モデルやローカル・レベルでの意志決定から,社会的価値,態度,政治的構造の社会的レベルのコンテキストに至るまでまちまちである。
供給の側面では,関連分野は国家的住宅および資本的市場(住宅部門),政府,制度,組合参加者とローカル・レベルで土地開発と住宅供給のパターンを形づくる財産規制についての研究を含んでいる」(Bourne;1981)。
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広範囲なハウジング研究のすべての分野を扱うのは,あまりにも膨大な作業であるため,本研究では,ハウジング研究の成果をポーンによる分類における「居住者の人口特性の変化」に研究の焦点をしぼり,かかる観点から関連する文献を再整理することによって,居住者の人口特性からみたハウジング研究の一分野の確立を試みるものである。
なぜなら,居住者の人口特性に着目したハウジング研究は,都市内部の地域構造のうち人々の生活様式や生活空間,生活態度に密着した分野であり,また人口統計資料が比較的揃っているのに対して,住宅ストックに関する小地域スケールでの統計資料があまりにも貧弱であり,マクロスケールの分析しかできないなどの資料的問題が存在するためである。
そこで本書では,図1-2に示すように,居住者の人口特性に着目したハウジング研究のアプローチや視点について整理し,居住者の人口特性の要素は住民属性,世帯属性,住民行動,地域特性などの研究対象に分類した。居住者の人口特性は,都市構造の一特性として把握され,また,世帯の居住地移動の結果として,あるいは居住地移動に影響を与える原因として,さらに,居住者の人口特性の形成と住宅政策との関係や住宅の需給の影響がどのようであったのか,など多種多様なアプローチから構成される。

ハウジング研究のフレームワーク

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ハウジング研究は,都市地理学研究においてかなり古くから言及されたにもかかわらず,ハウジング研究として,欧米の都市地理学の研究の中でその存在意義を強く示し始めたのは,1970年代以降の極めて最近のことである。
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ショート(Short;1984)は,都市における住宅市場が,自力で建築した家屋(self~producedhousing),個人仲介の家屋(individualcontactproduction),制度的仲介の家屋(institutionalcontactproduction),投機的生産(speculativeproduction)と2つの住宅供給部門(民間部門(privatesector),公共部門(publicsector))の4つの住宅生産構成となっていることを示した。この都市住宅市場の構成について,ポーン・パンティング(BourneandBunting;1993)は模式化を試みた。
ここで指摘されるのは,これまでの地理学におけるハウジング研究では,住宅市場を構成する需給関係や需給関係の背後にある諸要素間の関係や,住宅市場内の各部門相互間の関連性をあまり考慮することがなかったことである。
ところが,都市内部システムの考え方を援用することにより,住宅市場相互の関連だけではなく,住宅市場をとりまく社会的・経済的環境をも考慮したアプローチが可能となる。矢野(1995)は,ウィルソン(Wilson)に始まる都市地理学の研究のフレームワークを引用して,都市地理学において必要なのは都市システムを構成する個々の諸要素だけではなく,それぞれの諸要素を都市システム全体の中での相互作用から構成されるシステムとして位置づけて理解する必要性を主張した。
すなわち,従来の都市地理学は,都市システム全体の中で諸事象の相互関連性を把握することが少なかったことが課題とされる。ハウジング研究との関連からみると,「人口部門を中心に考えてみると,人口は労働を供給する就業者であると同時にサービスを需要する消費者でもある。(中略)そして,人口は住宅に居住することから住宅ストックと住宅配分という形で相互作用することになる。(中略)こうした活動は,有限の土地の範囲内で行われることから,住宅ストック,基幹産業やサービス産業の立地,交通供給などの土地利用が競合し,それらは,土地利用配分を介して相互作用することになる。この視点は,都市(圏)を,これら要素が空間・時間次元のなかで相互作用しあうダイナミックなシステムとみなすものである」(矢野,1995,)。この指摘が,ハウジング研究に極めて重要な示唆を与える。

ハウジング研究の意義

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ハウジングに対する関心は,人間の生活に対する基本的要求のひとつである「住」への要求によるところが大きいと思われる(早川;1988)。それにもかかわらず,居住に関しては狭小な住宅や過密なミニ開発地での住宅群など,わが国の大都市における住宅状況は低水準のままであり(日本住宅会議編;1989),また一方では,このような住宅状況下において住宅と住環境が家族の営む家庭生活にどのような影響を与えるのかについて,建築学や家政学では研究の蓄積がなされている(早川;1979,1984,中島;1988)。ところが,地理学においてはこれまで住宅状況についての地理的な分布を明らかにし,問題地区を確定することはあっても,政策や都市計画などにより形成された住宅環境がもたらす都市構造への影響や,上記のような住民の属性や生活への影響などについては関心が低かったといわざるを得ない。ここに都市における住宅問題に対する地理学の問題解決的態度が,新たに要求される。
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前述のように,ハウジング研究は学際性・総合性が求められ,地理学的研究においても共通するところがある。その学際性と総合性の故に非常に奥深い研究分野であり,地理学的なハウジング研究をことさらに強調するものでもない。
わが国の地理学においてはミクロな地域スケールでの資料的制約が大きく,住宅供給に関する地理学的研究にはいまだ不十分さが感じられるが,居住者側については居住状態や居住特性などに関して国勢調査などの資料により分析が可能である。
このような状況のもとでの地理学的ハウジング研究は,その応用面において都市計画や住宅政策などの行政に対して有効な情報を提示できると同時に,それらの基本的資料となる情報を利用したプランの作成をすることを可能とさせるものである。このように,現代の都市問題に対して問題地域や問題点の指摘 を行うことによって,短期的な対症療法を行う可能性も大いに残されており,さらに,長期的には需要者の住要求の質を向上させたり,ハウジング研究の成果を都市計画・住宅政策に応用させることが重要であると考える。

経済活動と居住機能の結合

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居住に関する研究については,都市構造の分析においても必要性が主張され,渡辺(1982b)は居住現象の視点に立った大都市地域構造を考え出した。渡辺は,居住現象としての大都市地域の構成システムが大都市居住そのものの構成システムと,その成立と表裏の関係にある大都市地域の居住側からみた諸機能の構成システムに分けられ,双方のシステムにマクロシステムとミクロシステムが共存することを指摘した。
転居やリフォームを機に家具について再考してみるのも良いかもしれません。壁面収納を選択肢に入れてみましょう。←こちらのサイトからは、不動産関連情報をたくさん見られます。
藤井(1983)も大都市圏内の都市システムの分析に,居住の立地動向の変化とそのメカニズムへのアプローチが必要とされることを述べ,経済活動だけでなく居住機能の立地動向からのアプローチし,経済活動と居住機能の結合の必要性を主張した。
以上のように,ハウジングの用語に関してはおのおのの学問分野における定義が多様で,これはハウジング研究が学際的研究分野であることを示している。ここで地理学においてハウジング研究を定義するならば,住宅政策や住宅の配置や分布などの住宅供給に関する研究と,居住者の社会階層などの住宅消費とそれを取り巻く諸環境にかかわる諸現象を研究対象とするものと大きく二分して定義できる。

以上の議論をもとに,居住者特性からみた地理学的ハウジング研究の構築を試みた。本論文はハウジング研究の一部分に過ぎず,住宅供給や住宅市場に関する研究を総合的にとらえることにはなっていないが,居住者特性を分析する際に住宅市場に関連させて分析することにより,都市計画や住宅政策などの制度論的制約や民間不動産資本の活動などのアーパン・マネージャーやゲート・キーパーに言及することにより多面的な捉え方を試みたい。